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ミドリムシは藻!分類上は植物?それとも動物?

ミドリムシという名前から、昆虫などの虫の仲間なのかな?って思っていませんか?
ミドリムシの食品が健康に良いと聞いても、「ムシ」はどうしても・・・って方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、ミドリムシは虫じゃありません。藻の仲間なので、ワカメや昆布の仲間です。
ただし、ミドリムシはいろいろと他の動物や植物とは異なる特徴を持っているので、分類が難しい生物でもあります。実は、専門家の間でもまだミドリムシの分類については論争が続いているんです。
今回の記事では、ミドリムシが生物としてどのように分類されているかについて解説します。

管理栄養士

この記事を監修した専門家

管理栄養士 阿部由美

【経歴】十文字学園女子大学卒業後、管理栄養士を取得。同大学で研究助手をしたのち、食品メーカーにて健康に関する情報発信や、共同研究先大学に出向し研究に従事。糖化反応によるメラニン産生作用を発見、特許出願。化粧品の開発にも携わる。

目次

1. ミドリムシの分類は藻の仲間!
2. ミドリムシは藻類!だけど動物?植物?それとも新分類?
3. まとめ

1.ミドリムシはワカメやコンブと同じ藻の仲間!

ミドリムシはワカメやコンブと同じ藻の仲間!
「ムシ」を連想してしまうと、なかなか口には入れづらい・・・
結論からいえば、ミドリムシの分類は、藻の仲間。なので、これまで「ムシ」に抵抗を感じていた方も安心して摂取できるかと思います。
ミドリムシはユーグレナ植物門ユーグレナ藻綱ユーグレナ目というグループに分類されています。生物学上の分類は実はまだ専門家の間で論争が続いていますが、はっきりしていることは、ミドリムシは藻の仲間、ということです。
虫を食べるというと、どうしてもちょっと抵抗がありますが、ワカメや昆布の仲間を食べるのは、よほど海藻が苦手な方以外は、全然抵抗を感じませんよね?

ユーグレナ藻は40属1000種もの仲間が!

藻と分かれば、ミドリムシの分類は植物の仲間ってことでこの問題は解決!としておきたいところですが、話はもう少しややこしいんですね。
確かにミドリムシはワカメや昆布の仲間なんですが、独特の特徴を持っているからです。
ミドリムシが分類されているユーグレナ藻のグループの中には、40属1000種もの仲間がいます。
ユーグレナ藻のグループの多くが、動物にみられる特徴と植物にみられる特徴の両方を併せ持っていて、植物とも動物ともなかなか言い切れないんです。
そもそも、藻類の定義が少しあいまいで、しかもとても幅広いんですよ。光合成をする仲間のうち、コケ、シダ、種子植物(草花や樹木)を除いたものすべてひっくるめて「藻類」だから、同じ仲間でも色んな生物が存在しています。

2.ミドリムシは藻類!だけど動物?植物?それとも新分類?

ミドリムシは藻類!だけど動物?植物?それとも新分類?
学校でも学習するようにミドリムシは動物と植物の両方の特徴を兼ね備えています。なので、動物と植物のどちらに分類されるかはとても難しい問題です。

ミドリムシが持つ3つの動物の特徴

ミドリムシの動物としての特徴は、3つあります。
・ミドリムシは自分の意思で動くことができる
ミドリムシには、鞭毛といわれる器官があります。鞭毛は毛状の細胞小器官で、体をくねくねと変形させて水中で泳ぐ際の運動器官として使われます。ミドリムシには、動物のように目や口があるわけではありませんが、光の強弱を感知して明るい方へ自分の力で移動することができます。
肉眼では見えない小さな体であるにもかかわらず、1時間に144cmも移動することができるんです。そんなに活発に動いていたら、やっぱり植物じゃなくて「ムシ」って名付けたくなりますよね?
・ミドリムシには細胞壁がない
細胞壁は、植物の形や大きさを決めるために、植物の最も外側に形成される強固な膜のことをいいます。ウイルスや細菌などの外敵から守る役割も果たします。細胞壁は動物にはなく植物には必ずあるものなので、細胞壁がない、ということは動物としての特徴になります。
・捕食することができる
ミドリムシは主に光合成によってエネルギーを生成しますが、長時間光の当たらない状態にしておくと、光合成をおこなうことができないためバクテリアなどを捕食します。また、ミドリムシ以外のユーグレナ藻の仲間には、光合成ができず、捕食してエネルギーを取り込む種類もあります。
ミドリムシは口のない単細胞生物なので、捕食するというよりは体内に取り込む、といった感じですね。

植物としての特徴―光合成をする

植物としての特徴―光合成をする
ミドリムシには、植物としての特徴も見られます。それは、光合成をするということです。
ミドリムシは、体内に葉緑体を持ち、光合成をすることで、エネルギーを作り出します。動物は光合成をおこなわずに、ものを食べることによってエネルギーを体内に取り入れますので、光合成をするのは植物のみにみられる特徴です。

葉緑体のルーツとは?

近年の研究では、ミドリムシは葉緑体を二次共生によって体内に取り込んだという説が有力です。
※二次共生とは、葉緑体を持っている生物を進化の過程で体内に取り込むことをいいます。つまり、ミドリムシは、元々、葉緑体を持っておらず、他の生き物を取り込んで自分の体にしてしまったということです。
この説によると、葉緑体を取り込む前のユーグレナ藻の仲間は、バクテリアなどを捕食することによりエネルギーを摂取していましたが、葉緑体を取り込んで光合成をできる能力を得たことで、後から植物としての機能を備えた、ということになります。

結局、ミドリムシは動物でも植物でもない新たな分類!?

結局、ミドリムシは動物でも植物でもない新たな分類!?
微生物や菌類の存在により、近年の生物学では、生物は動物と植物の分類だけでは限界があるとされています。菌類や微生物の中には、動物とも植物とも説明のつかない種類が多く存在するためで、ミドリムシはその代表格です。
例えば、生物を5つのグループに分類した5界説が現在の生物の分類ではスタンダードなんですが、5界説ではミドリムシは原生生物界というグループに分類されています。
原生生物界とは、動物でも植物でも菌類(キノコの仲間)でもないグループのことを指します。単細胞の微生物が中心ですが、コンブもこのグループに含まれています。
生物の分類方法は今も議論が続いているんですが、「動物か植物かでは説明ができない」という考え方が主流になってきています。ミドリムシは動物でも植物でもない新たなグループに分類される可能性が高いでしょう。
とりあえずの結論は、「ミドリムシは動物でも植物でもない別のグループに分類される藻の仲間」ということになります。

3.まとめ

ミドリムシの生物学上の分類について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
虫ではない、という事実にホッとされた方、生命の進化の奥深さに興味を持っていただいた方、難しさに困惑された方、などなどさまざまな感想があるのかな、と思います。
とても身近な生物のミドリムシの分類がはっきりしないなんて不思議ですよね。
しかしながら、枠に収まらないミドリムシだからこそ、他の生き物にはない栄養素やエネルギーを体内に秘めているとも考えられます。
ミドリムシの生物としての特徴を知って、より身近に感じていただけたら幸いです。

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